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Word

20121011

あのときその選択をしていれば、今は違っていたかもしれない。なんて、考えても仕方のない回顧に囚われてしまうことがある。イエスとノーの両極な選択でなくても、たとえば新宿に行くか渋谷に行くかの些細な違いでも。自分で変えられたかもしれないからこそ、過去に置いてきた未来が愛おしく思える。

 

20121013

信じていれば、信じれば、何度かは助けてくれたのだろうか。けれど。ある者は言った、信ずる者は救われると。それでも。仰いだ空は特別美しいというわけでもなく。だって。平凡な色調にありふれた色彩を置くだけの宙だった。だって信じられないよ。時が迫る。少女の涙がこぼれ落ちた。 #poem24

 

20120813
ひたり、歩みを止めたのは。夏が翔けてゆく音がドップラー効果に溶けて、耳の奥をかすめた気がしたからだ。振り返れ、追いかけろ。誰かが囁いたのか、それとも潜在するなにかがほだしたのか。それはわからなかったけれど、立ち止まった彼の爪先は反対側を向いていて。4時、そのとき少年は走り出した。

20121208
母を亡くした少年がいた。たったひとりの家族だった。彼が一晩中泣き明かしたのも、声を上げて泣き喚いたのも、その姿を見た者はいなかった。次の日、彼は泣き腫らした目で「だいじょうぶだよ」と言った。ある者は言った、それはつよがりだと。ある者は言った、それはつよさであると。 #poem24

20130823
自分の言葉が嘘っぱちになるのを恐れている。自分の過去の発言と相反することを言ってしまったり、自分の過去の発言と異なる行動を取ってしまったり。特に言葉を行動で裏切ることに対しては非常に恐怖している。せめて裏切るなら言葉で裏切りたい。ここで「伝える」ことができるのは言葉だけだからだ。

20140216
わたしが思考を言語化することに全力を尽くすのは、言わなければなにも伝わらないから。言葉にしたところで伝えたいことの1%も伝わらないけれど、言葉にしなければ伝えたいことは0%しか伝わらない。だからわたしは「言葉にしてほしい」と願う。言語化。わたしがあなたを理解する唯一の手段。

20130104
「諦めた人間は最も強い」という持論がある。目的や対象を諦めた人間には、もう守り貫くべきものがない。残ったのは積み上げてきた過去と未来の残骸だけで、これ以上未来をのぞむ必要がない。だから自棄になってすべてを捨て、何もかもを壊す。そしてこの喉を掻き切りかねない。君を諦めさせない理由。

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